人生は芸術だ
第17回 人生は芸術だ "Life is Art"
BLANKET(ひざ掛け)
色鮮やかなタータンのブランケットを父からプレゼントされたのは1961年12月24日(48年前・小学校3年生)のクリスマスイブの早朝だった。
ブランケットは前日のクリスマス会で引き当てたものだという。「すわろう会」と名付けられたこの会は、職種の異なる人が月に一回町の発展、活性化を狙いとして情報交換をする会であり、半世紀を超えた現在も継続している(2008年10月に50周年(例会600回記念会が行われた)。特に12月は忘年会・クリスマス会も兼ねて盛大に行われ、各人がプレゼントを持ち寄り、抽選で交換が行われた。そこで偶然父が引き当てたブランケットは町の眼科医の故板橋慶行先生(弓道教師8段)がアメリカの知人に譲られたものだという。初めて目にする赤と緑をベースにしたタータン柄のブランケットは鮮烈で、回りのダークな色合いとの対比に、目を凝らして見入った記憶が蘇る。
以来、このブランケットは半世紀近くにわたり、グローブ(手袋)、マフラーとセットで必需品となり、私の体の一部となっている。冬の陽が落ちると急激に寒さが増すグラウンドには、鮮やかなレッドの差し色となるブランケットがよく映える。今は、膨よかさも柔らかさもなくなってしまったが、伝統に育まれた個性ある不変の色が絶妙の色合いを醸し出し全体を品よくまとめている。
外山滋比古氏著書の、東大・京大で一番読まれベストセラーとなり100万部を突破したという「思考の整理学」という本に次の様に記されている。
「忘れるのは関心のない何よりの証拠である。・・・」
きっと半世紀にわたり冬になると一度も忘れた事のないブランケットは、私にとって関心のあるものなのかもしれない。一色、一色が個性ある色の集合体でありながらブランケットになるとまったく違う色彩となる現状を見るにつけ「全体は部分の総和にあらず」という言葉を思い出す。チームゲームの根幹は個の育成を最優先し、しっかりしたビジョンでトレーニングすることにある。それは、選手一人ひとりが局面で個で勝ると判断すればパス受けに回り、劣ると判断すれば、サポートに回ることにつながる。
私達が目指すフットボールは、しっかりとした個に裏打ちされつつチーム全体が一つの意図を読み解き、ポテンシャルの高いポゼッションに拘り、ボールを媒体として美しいハーモニーを奏でる、いうなればブランケットの様なものでありたい。
「人生と共にサッカーは芸術である」
それにしても、日々通勤路として車を走らす宮城県美術館からサッカーの問い合わせがまだない。

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